Press Release

2021.10.26

500ccエンジン搭載の産業用ドローンを開発
アイザワグループのAAA
給油機能付きの格納庫を一体設計
自律型の「空飛ぶ産業用ロボット」目指す

 アイザワグループの無人航空機開発会社、アラセ・アイザワ・アエロスパシアル合同会社(AAA、本社静岡県浜松市、共同代表:會澤 祥弘、荒瀬 国男)は、産業用途に特化した500㏄エンジン搭載の大型ドローンを開発し、26日午前、浜松市内の天竜川河口におきましてデビューフライトを実施しました。27日からの『第4回名古屋ロボデックス』に初号機「AZ-500」や格納庫などを出展します。機体の開発に合わせて自動給油機能が付いた格納庫やデジタルツイン技術を駆使した自律航行システムを一体設計することにより、ひとが介在せずに自律的に仕事を続ける「空飛ぶ産業用ロボット」のベースマシン『The Drone Basics for Industries』として新たな価値を打ち出し、本格的な空の産業革命を主導してまいります。

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デビューフライトで
期待以上の運動性能を発揮

 早朝から天候に恵まれたこの日、共同代表の會澤、荒瀬をはじめとするAAAのスタッフのほか、開発に関わった取引先など約20名が見守る中、デビューフライトは午前9時17分にスタートしました。荒瀬がエンジン始動の号令を発した後、AZ−500は重低音ながら透き通ったエンジン音を轟かせ、静かにホバリングを開始しました。ピッチ(前後)方向確認、ロール(左右)方向確認をクリアした後、バーチカルボックス(四角)、ホリゾンタルエイト(8の字飛行)など予め決められた姿勢制御のチェック項目を次々とクリア。最後に回転数を上げた昇降テストなども追加し、期待以上のエンジン性能と制御能力を発揮して無事にデビューフライトを終えました。


 會澤代表は「期待以上の運動性能を実現できた。産業ドローンとして様々な仕事の現場でこの機体が人間とともに働く未来を実感できたのが大きい」と強調、1年数ヶ月の短期間で初フライトまで漕ぎ着けた荒瀬代表に対して最大限の賛辞を送りました。


 荒瀬代表は「過去のホバリングテストとは次元の異なる初めての本格フライトになった。想像以上の出来。この開発環境を整えてくれた會澤代表に心から感謝したい」と述べるとともに、「これからが開発の正念場。今まで以上に心を引き締めて開発に当たって行く」と抱負を語りました。

産業用途のドローンエンジンを
独自開発

 建設、物流、防災、防衛など様々な産業用途に使えるベースマシンを生み出すことを志し、「AZ-500」の開発は、高性能二輪エンジン技術を応用して、ドローンの専用エンジンを新規に設計するところからスタートしました。汎用エンジンをドローンの機体に搭載した例はありますが、大型二輪技術を応用して専用エンジンを開発したのは世界初の試みです。

 

 ドローンの動力源をエンジンに求める場合、高出力とともに軽量化と無振動化が課題となります。AZ-500のエンジン(愛称:『國男』)型式は油冷式500㏄。ジャイロ効果キャンセル構造(特許取得済み)の独自設計により、エンジン本体の無振動化に成功しました。これによりエンジン本体から4本のローターシャフトを腕のように伸ばし、エンジンのパワーをロスすることなく直駆動でプロペラに伝えるクアッド型マルチコプターを機体形式として採用。姿勢制御はプロペラの角度を調整して行う可変ピッチ方式としました。

 

 機体重量は100㎏、ペイロードは50㎏未満で、ドローンの最大離陸重量の規制にぎりぎり収まる最大級のスケールとなりました。ペイロードを使用しない連続航行時間は5時間以上となります。
 

機体の格納庫と自律運航システムも
一体的に開発へ

 重量物を搭載して長時間飛べる機体が「空飛ぶ産業用ロボット」として活躍するためには、ひとの手を煩わせずに自動で飛ぶ能力が求められます。無人航空機を使うたびにひとが資機材を準備したり、機体を地上から操縦している限り、空の産業革命は起こり得ないというのが私たちの基本的な考えです。

 そこで私たちはAZ-500の機体開発とともに、その格納庫となる「The Port」を一体設計し、AZ-500が「The Port」から飛び立ち、仕事した後に「The Port」に帰還するという利用環境を実現します。機体が格納されたThe Portは車でけん引して、建設現場など所定の場所に運び込むことができます。The Portには自動給油機能やIoTを駆使した機体の自動点検機能が備わっており、一定の期間、人の手を一切煩わせることなく空飛ぶ仕事を繰り返すことができます。

 また大型のエンジンドローンが安全に飛びながらひとと協働するためには、機体がひとや危険物を避けながら飛行できる完全自律型の航行システムが必要になります。私たちは「SYNCWORLD」と呼ぶブロックチェーンを利用したデジタルツインの生成同期システムの開発を進めており、リアルな世界と同期し続けるデジタルツインを座標軸として、ゲーム開発で培われてきたノウハウをベースに機体が自律運航する新たなドローンオペレーションに挑戦してまいります。

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The Drone Basics for Industries

 空飛ぶロボットのベースマシンとなる「AZ-500」、機体の格納庫となる「The Port」、そして完全自律航行に道を拓く「SyncWorld Engine」。この3つの技術要素が一体となった統合システムを「The Drone Basics for Industries」(産業用ドローンの基本構成)として具体化し、普及を進めてまいります。

 27日から3日間の日程で開催される『第4回名古屋ロボデックス』(場所:ポートメッセなごや)には、AZ-500の機体、『國男』エンジンのほか、プロトタイピングを進めている「The Port」を合わせて展示し、ご来場の皆様に「Basics」の世界観をご覧いただく予定です。
 

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AAA設立の背景

 AAAは、會澤高圧コンクリート(苫小牧市)を中核とするアイザワグループの代表である會澤 祥弘(56)と、元スズキの二輪エンジンデザイナー荒瀬 国男(60)が昨年8月、共同出資で設立しました。

 會澤高圧はバイオテクノロジーを使った自己治癒型コンクリート補修材を実用化しており、ドローンを使った液体補修材の完全機械施工法を確立するため、米MIT系のスタートアップ「Top Flight Technologies」(ボストン)と組んでバッテリーとエンジンのハイブリッド型ドローン「Airborg」をプロトタイピングしました。ただ汎用エンジンを使ったハイブリッド型では出力に限界があるうえエネルギーロスも大きく、産業用として求めていた機体性能には届きませんでした。

 コロナ禍もあって開発体制の見直しを迫られていた昨年7月、會澤は、最高速度300㎞/hを超えた20世紀最速の市販バイク「隼・GSX-R」を設計したエンジンデザイナーである荒瀬と出会いました。荒瀬はMotoGPレースグループのプロジェクトリーダーなどを歴任後、2018年からエンジン、機械、設計、解析のフリーエンジニアとして独立。高性能二輪エンジンの技術を空の世界に活かすことを構想していました。その矢先の出来事で、二人はその日のうちに意気投合し、翌8月にはAAAの設立にまでこぎつけたのです。
 

會澤高圧コンクリートについて

 Innovate・Challenge・Trustの理念のもと、コンクリートマテリアルと先端テクノロジーを掛け算して新たな企業価値の創造に取り組む総合コンクリートメーカー。バクテリアの代謝機能を活⽤してクラック(ひび割れ)を⾃ら修復する⾃⼰治癒コンクリート(Basilisk)や速乾性のセメント系材料を使ったコンクリート3Dプリンターといった新機軸をMITやデルフト⼯科⼤学等との産学協⼒をテコに⽮継ぎ早に打ち出し、伝統的な素材産業からスマートマテリアルを基軸とするイノベーション・マーケティング集団へとDXを仕掛けています。2021年3⽉期の売上⾼(単体)は203億円。従業員618名。

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※本プレスリリースのPDFはこちらからダウンロードできます。

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※メディアの皆様へ

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■本件に関するお問い合わせ先
會澤高圧コンクリート株式会社

担当: 嘉津山 公一(かつやま こういち)
TEL : 011-723-6600
Mail: k.katsuyama@aizawa-group.co.jp